「例え星が墜ちても、この世界は廻り続ける」
星が墜ちても、あなたとこの世界を歩む。
星に祝福されし世界。
その光が、例え届かなくても、人々は歩むのだろう。
その光が、失われたとしても、人々は進むのだろう。
それはささやかな想いを歌う舟。輝ける星の海を魔術師は渡る。
誰も知らない、けれども確かにあった物語。
これは、とある魔術師の星を紡ぐ物語である。
星の祝福を受けし栄光なる世界と言われている蒼星祈聖界クロムウェル。
その世界に、ある魔術師が足を踏み入れ、その世界達を知る。
加護が与えられた世界と、加護が与えられなかった世界。
ただ、生きていただけなのに。その世界の者は思い、そして―――
存在意義を探し、葛藤し、やがて祈りは星となるであろう。
星の祝福を受けし栄光なる世界。
その祝福をもっとも多く受けている者だけが宿星の聖剣を手にする星祈王になることが出来る。
星祈王は聖剣と共に世界の栄光と平穏を誓う者となるだろう。
この世界は、星と祈りと生命の煌きによって成り立っている。
祈りと花の女神アルティリアがいるとされる、星祈王と聖騎士にしか辿り着けない神域。
その光景は青い花々が咲き誇っており、幻想的な光景であるとされている。
海の中に広がっている、もう一つの世界とされている場所。辿り着ける人間は数少ない。
辿り着ける人間はごく僅かであり、幻獣種と呼ばれる者達が多く存在している。
幻蒼海域エルキュメリアンでは、オルティレイスが絶対君主であると幻獣種達の中ではそう定められている。
このエルキュメリアンでは、人間も呼吸ができる空間となっている。
星祈王が統治する最も星に祝福されているとする国。最も勢力がある。
祈りと花の女神アルティリアの在る場所に最も近い国とも言われていおり、紺碧が見える海の都。
人口が一番多い国であり、魔法化学と信仰が発展している国でもある。
魔力発動体であり、所持者に加護をもたらす魔導具や祈りや神聖の力によって災害や厄から身を守るとされている聖導具の生産地として有名な国である。
主要都市であるユラナティアでは王族や貴族が住まうレギュラスを一般市民の住むライアが守るように囲っており、建物の色は星の色であるとされている白基調であることが多い。
蒼星祈聖界クロムウェルでは生命の息吹であり、存在することや生きることにおいて必要不可欠なもの。
星の祝福を多く受ければ受けるほど魔力の質や生命力に影響し、それ故にこの世界の生命は星の祝福を拒むことはない。
祝福がない者や場所においては、やがて破滅へと向かうほど星の祝福は生命に関与しているものである。
星祈王を選定する、祈りと花の女神アルティリアが創りあげたもの。
神器の一つでもあり、名はトネリア。
選ばれた星祈王以外には決して扱うことが出来ず、主である星祈王に加護を与える。
宿星の聖剣によって選ばれた、星と花の女神アルティリアの祝福を世界に行きわたらせ、この世界の頂点に立つ存在。
どのような身分の者であれ、宿星の聖剣に選ばれたらそれは関係ない。
世界の栄光と平穏を誓う者として、祈りと花の女神アルティリアから神託が下されることがある。
星祈王の剣とも呼ばれる、聖騎士と並ぶ高位なる騎士。星の加護を多く受け、守護者。
聖騎士の補佐の他、貴族の護衛等与えられている役割は多い。
それ故に星祈王やアスルアス聖国の民様々な方面から信頼を寄せられている。
祈騎士になるには実力があろうと困難であり、祈騎士に憧れを持つ者も多い。
祈騎士と並ぶ高位なる騎士であり星の祝福を強く受け、祈りと花の女神アルティリアに選ばれた4つの名家。
この名家が世界に四季を与えているとされている。
春はウィルギニス、夏はナヴィガトリア、秋はアウストリニ、冬はセイリオスが季節の加護を施している。
また、星祈王を護衛する役目も与えられている。
祈りと花の女神アルティリアが創りあげたものも含まれるが、主にかつての神々が遺した物。
持ち主を選ぶ神器が多数であり、持ち主と認めた者には神ですらも凌駕する力を発揮すると言い伝えられている。
代表的な神器は宿星の聖剣であるが、海穹の神槍や溟海の魔剣なども有名ではある。
全ての神々が手掛け、全ての生命からは神の化身とまで言われていた火輪の星楔と氷輪の星楔は、現在は行方知らずのまま。
セイレーンであるオルティレイスを筆頭に海の世界である幻蒼海域エルキュメリアンで生きる者達。
別名、海の支配者や天を墜とす獣、あるいは死の神の化身。
災いや死の象徴とされており、厄災を起こすため生命にとって悪なる存在。
どの幻獣種も差はあれども力が強く知能が高く、それでいてやけに忠実故に、王となっているオルティレイスには逆らわない。
幻獣種の中でも優秀な個体は人間の姿を取ることが出来る。本来の大きな獣のような姿は「幻獣態」と呼ばれているようだ。
人間の姿を取っている彼らは、美しい美貌を持った者が多く、その歌声も綺麗なものであり思わず聞き入ってしまうほど。だが、その歌声で生命は魅了されやがては正気を失ってしまう。
強い効果、耐性があってもそれを無下にしてしまうほどの魅了が使える他、歌声によって精神を狂乱させるのが特に得意な存在であり、人間の姿はひときわ美しい容姿をしている者が多い。狂美を謳う者、永美たる結晶とも。海の美の結晶とも呼ばれているセイレーンは、時にその美貌や歌声を利用することもある。
幻獣種の中でも魔法に耐性があるが、魅了を防いでしまえば滅法に弱い。魅了を防げれば、の話ではあるが。
海神の末裔とも言われているが、これについては真相は不明。別名「セルレリアン」とも呼ばれており、この異名はオルティレイスから由来するものである。
様々な姿や性質で語り継がれているが、非常に高い知能を持つことと、月を虧く者、あるいは月蝕の大賢者と呼ばれていることは共通している。
宝石を生み出す習性があり、その宝石を手にすると支配の力が手に入ると言い伝えられている。毒を持つクラーケンが多く、しかしその毒は必ずしも命を奪う毒だけではない。
またヒュドラほどではないが、再生能力も備えている。クラーケンが現れ、運命を予言する日には、決まって月が欠けることから古来の人間はクラーケンの訪れるのを予測していた。
かつて忠実な神の従属的存在であったとされているが真相は明らかとなっていない。嵐を起こし陽を覆い隠すことから太陽を落とす者、あるいは日蝕の重戦士とも。
幻獣種の中でも特に頑丈であり、脅威から味方となる者を庇おうとする。仲間想い故に自己犠牲というものをしてしまう幻獣種とも言える。
忠義というものが高いため、一度認めた者にはどんなことがあっても味方である存在でいる。
深淵、あるいは奈落の象徴であるとされているものであり、深淵にいざなう者、海に渦巻く大穴とも。全てを喰らう存在であり、驚異的な力を持ち、幻獣種の中でもひときわに巨体。個体数が最も少ない幻獣種でもある。
子が産まれたら親はその子の養分となる習性があるため、カリブディスには愛というものを知らない者も多いがその実一番愛情深い。
何でも食べてしまう暴食。人間はもちろん、時には同族である幻獣種ですら喰らいつくしてしまう時もある。幼体の時点で力が強く、巨体ため特に歯向かうのならば命はない、とまで言われている。
人魚とも呼ばれる存在で、虚構を魅せる者、偽美なる神秘とも呼ばれている。幻獣種の中でも最も醜い姿をしており、人間を好んで喰らう。人間達の間で語られている神秘的な存在とは程遠い。
しかし幻覚によって人間達に美しい姿を魅せているため、今でもなお最も人間達の間で語られている存在であり、唯一人間に存在することを許されている幻獣種でもある
幻獣種の中でも圧倒的な生命力と再生能力を持っており、ヒュドラの牙を薬にするとどんな病でも治ると言われている。星を喰う者、支配を率いれる獣とも。
しかし猛毒を持つため、近付くのは容易くはない。綺麗なものを好み、番には宝石を与える習性がある。
眷属なる存在を率いれており、主となるヒュドラに忠実なるもの。これらは眷属獣と呼ばれる。
味方を脅威から庇おうとする習性がある様子で、自ら囮となることもある。
「それはとある軌跡の星。これは、ぼくらが生まれてから死ぬまでの物語」
満天を埋め尽くす無数の星々。
在りし日の追憶。
消えた約束を探して、この思いを彼方の星まで。
――たとえ明日には消えてしまう輝きだとしても。
星の道を辿り、約束の記憶を想う。
大切なあなたに、どうか届きますように。
始まりに作られし世界、星祈幻神界エクセリア。
それは星のヴェールで編まれた世界、幻想郷。
そこの世界で、ある四人の神がいた。
それらは、後に「神祖」と呼ばれることになる──
無数の世界が存在する広大な───すなわち宇宙と呼ばれる空間の総称である。ロゴス・ノヴァ。
この宇宙には数え切れぬほどの世界が存在し、それぞれが独自の歴史と理を有している。
通常、世界に住む生命はこの宇宙の存在を認識することができず、自らの世界以外に別の世界があるとは知り得ない。
廻星宇宙に存在するすべての世界における定義・理・時空の流れ、さらには特異点の数や発生する現象を定めた存在が、神祖である。
ただし各世界の住人にとって、神祖という存在は一切知られることなく、その理は「初めからそこにあったもの」として受け止められている。
かつて神祖が暮らしていたとされる世界。
広大な図書館のような内装に、それに覗くは星空。
神祖は皆、この世界で様々な世界の理を定めた。
この溢れんとばかりの白紙の本達を、世界の理で埋め尽くしたのだ。
アイオーン。宇宙と共に生まれた神々とされ、世界の始まりを見た。
星祈の幻界エクセリアにて座しており、決して人間では拝むことのない存在。
無理に存在を認識しようとすると無数の情報量により通常の生命は精神を狂わせてしまうもの。
この世界は、神祖達の決めた理によって成り立っているにすぎないのだ。
クレオーン。神祖の定めた理から逸脱した、神祖にとって“想定外の異例”。
世界の名を冠しており、宇宙規模の災厄を引き起こし、世界そのものを侵食・崩壊させる。
神祖にとっては「想定外から想定内へ正すべき対象」であり、警戒すべき脅威とされる。
想定外の異例である彼らは最も全ての生命にとって脅威であるとされている。
コネクター。調停者は、世界を渡る力を持ち、また世界を管理する役割も持つ。
星の囁きは幾多の世界をも廻り、世界の縁を結ぶ。
星穹の調停者は、楔の星を呼びし者。また、星の箱庭の管理者。
調停者は、世界で起きている現象の修復や切除、結びつきを行うもの。
ストーリーテラー。観測者は、世界を観測する者であり、築かれた物語を記録する役割も持つ。
星の煌きは世界を見つめ、無数の特異点を観測する。
天理の観測者は、宙にて全ての世界の万象を観測している存在。
観測者は、基本的には世界で起こっている出来事には干渉しないもの。
「星の光に照らされたあの日の君を、どうか忘れませんように」
幾星霜の時を超えて煌く。
星々を巡るその身は世界を覚えている。
宙にはまばゆい星がある。
それならこの暗い海には一体何があるのだろう。
手を伸ばしても届かないその祝福に、罪人たちはずっと夢見ていた。
罪を背負った者にとって、帰る場所とはどこなのだろう。
一瞬の輝きを焼き付けて、どこまでも。
その星の祝福を受けし栄光なる世界は、蒼星祈聖界クロムウェルと呼ばれている。
しかしクロムウェルはかつては古き名があったことは今は語られることはない。
それに“死と厄災の象徴”である幻獣種と呼ばれる者達が関わっていることも、誰も知らない。
罪人とも呼ばれる者達は叫ぶ。「ただ生きていたい」と。
その悲壮な願いは果たして届くことはあるのだろうか。
罪と赦し、そして約束。星の息吹たる祝福の物語が、幕を開けようとしている。
──誰も知らない、けれども確かにあった物語。
星と祈りと生命の煌きによって成り立っているとされている、星の祝福を受けし栄光なる世界。
人間の他にも精霊と呼ばれる者達や妖精と呼ばれる者達も存在しており、多くは人間と共存している。
しかし幻獣種と呼ばれる者達は未だ人間はおろか精霊や妖精さえも忌み嫌われたままである。
またこの世界では“白は星の色”であり“青は海の色”であるとされているため、白は神聖なものであり、青は不吉を呼ぶ色。
海から遥か遠くにある、とされる。元々は勢力は弱かったのだが最近になって急激に勢力を強めている国でもある。
周辺にある砂漠や鉱山採れる生物の皮や鉱石から、アクセサリーや服の生産地としてもっとも有名。
アスルアス聖国とも好くなからず交流はあり、アスルアス聖国で流行している多くの衣類はエルディラ帝国が生産したもの。
エルディラ帝国内にせせらぐ清水は「恵みの水」とも呼ばれている。恵み水で作られた噴水広場も存在する。
高原と雪山に囲まれ、星の祝福が乏しい厳しい土地であるが、その代わりに祈りの文化を根幹とし「星を呼び降ろす国」とも呼ばれる。
国内各地に立つ祈星塔は星光を映す水晶を掲げ、夜ごと祈りの場となる。
特に有名なのが「星楔の儀」であり、岩や山肌に結晶を打ち込み祈りを封じることで、星の加護を大地に留めるとされる。
精霊や妖精と呼ばれる存在達が住まう幻想郷とも言われる場所。
スティアシラ幻精霊国へと繋がる場所はごく普通の森であり、またその場所さえ知っていれば住まう者達は来客を拒まないだろう。
アスルアス聖国の次に星に祝福されているとされており、スティアシラ幻精霊国でしか見られない花等も存在する。
星祈王が統治する最も星に祝福されているとする国。国内に所々存在している結晶は魔導鉱石と呼ばれ、触れるとワープ移動ができるもの。
星や海をモチーフにしたスイーツが人気であり、お土産としても愛されているものである。
スティアシラ幻精霊国と交流が多く、アスルアス聖国に住まう精霊や妖精も少なからずはいる。
別名、祝福の使徒と呼ばれている存在であり、歌を歌えば草木は芽吹き星は瞬き水は清く澄んだものになるとされている。
祝福の精霊を率いれているアルメルスや、歌花の精霊姫と呼ばれているシエラステラなど、神や多くの人間に愛されている存在である。
伴侶となる者にはたった一度だけの聖なる歌を捧げ、永遠とも呼ばれる祝福を与える。
また、祝福の精霊は罪たる者に粛清を与える役割もあり、神からの寄せられる信頼も大きい。
神から智慧の恵みを授かったとまで言われている、大きく世界に貢献した者達。
天刻の魔導師クロノメルスを始めとした偉大なる賢人達が知星智者と呼ばれ、その名を知らない者はこの世界にはいないとまでされるほどだ。
アスルアス聖国の中央区、王族や貴族が住まうレギュラスに隣接するように建てられた巨大な学術施設。
「星々の導きを知に変える」という理念のもとに創設され、世界中から学者・研究者・賢人が集う。
最高位の学者である「知星智者」が統括・指導を行い、その権威は神官や騎士と並ぶほど重んじられる。
「智は星より降り、星は智より昇る」という知星導院全体───アスルアス聖国にも広まっている格言があるほどだ。
ユグラベク祈国に所属する騎士団。
その名は「星を追い求め、星を導く者」を意味する。星楔の儀を守護し、雪山の自然の災害から襲撃を退けることが彼らの最大の使命である。
祈りの結晶を嵌め込んだ武具を携えて戦い、戦闘時にはその結晶が星光を放ち、祈りの力を刃とする。
彼らは夜目を鍛え、星明かりの下での戦を得意とするほか、行軍の際に祈りの歌「星歌」を唱和するのが特徴。
数百年前、多くの幻獣種が命を落とすことになったアスルアス聖国を始めとした人間が住まう国達が企てたもの。
人間は幾多の名だたる魔術師を雇い、そして魔法を前にした幻獣種は成すすべもなくただ奪われるだけであった。
先代の幻獣種の王であったオルキスティオキアさえも命を落とし、そしてこのイルジオス殲滅計画をきっかけに同盟を組んだ国達もいる。
幻獣種にとっては残酷極まりない事件であり、人間にとっては栄光輝く偉業、である。
今の彼らには失ってしまったとされる、必ず起こるであろう未来を予言するかつてのクラーケンの能力。
この大賢者の予言を聞いた者は、不思議とその運命を容易に受け入れてしまうとも言われている。
数百年前の、幼かったネヴァーレンがこの大賢者の予言によって幻獣種が大虐殺される───イルジオス殲滅計画を予言したがそれは幻獣種全員に知らされることはなかった。
「脱輪した人生でも、ぼくらは光に向かって歩みたいのだ」
最初は縋るつもりなどなかったのです。
排斥されるようなものになるつもりもなかったのです。
ただ、自分のような者でも救われたかっただけなのです。
突き詰めれば、努めれば、足掻けば、いつか純粋で綺麗なものになれると。
この両手いっぱいの灰、胸の内に揺れる硝子の供花。
それがいつか報われる日が来ると。そう信じてみたかった。
────そんな、薄暮の祈りより。
聖罰の星導界とも呼ばれるアルスノウァは、本来ならば罪なき者には決して辿り着く世界ではない。
しかし、罪なき者でも例外はある。それが罪楔の神子という、世界へ捧げる生贄なる存在。
その罪楔の神子に選ばれしただひとりの人間は、アルスノウァへと足を踏み入れそして罪ありき存在を見て何を思うのか。
罪とは、救済とは、贖罪とはなんなのか。知ることになるのだろう。
罪と罰と、そして救済への祈祷の物語である。
罪神と呼ばれる72柱の罪神が集う世界。
星の息吹が届くことのない世界で、生命達は足掻きながらも生きている。
罪を背負う生命達は願うだろう。“救われたい”と。
しかしこの世界では決して罪も許されることはなく、救われることもない
アルスノウァに縛られている、楔の罪状を背負っている72柱。決して赦されることはない者達。
罪神の体には“罪人の証”が刻まれそれは消えることはないであろう。
性質としては邪神や魔神と呼ばれる存在に近い者であり、いくら聖なる神であろうとも罪を背負ってしまえば罪神となってしまうのだ。
罪神は、罪たる生命達を支配する存在でもあり、最も重い罪を背負っている者達とも言えよう。
罪たる生命達の世界へ捧げられた生贄。浄化する者であり、罰する者。
アルスノウァを浄化する役割を果たすまでは決してアルスノウァからは逃れられない。
72柱の罪神が抱えている、永久の罪。決して解放されることはない呪縛であり、鎖である。
ただ、己の信じる信念を貫いただけにすぎなくとも、それは世界にとって罪深き行為なのだ。
天賊なる賢愚ウァレフォルが抱える楔の罪状。
生命たるものが生きる理不尽なき世界を築き上げようと理不尽を奪おうとし、人々のすべてを奪った汝は罪あり者である。
永遠に略奪する以外を知ることはなく、人々にとって理不尽で支配する暴君に成りえることになると此処に言い渡そう。
罪たる狂騎士エリゴスが抱える楔の罪状。
正義のために狂気の道に入り、護るべき人々を恐怖に陥れた汝は罪ありき者である。
永遠に狂気を拒めることもなく、己の信じたかったものはなんだったのかもすらもわからなくなることを此処に言い渡そう。
黎黒の魔術師アスタロトが抱える楔の罪状。
既に終えた命を弄ぼうとし、人々を殺戮の道に歩めた汝は罪ありき者である。
永遠に幸福というものを得ることはなく、己が幸福を信じて創りあげたものが不幸にもたらすことになると此処に言い渡そう。
幻蒼海の父神フォルネウスが抱える楔の罪状。
最も愛を与えたかった者達が苦しみや悲しみに陥り、その者達が人々を苦しめることとなった汝は罪あり者である。
永遠に愛したかった者達に想いは届くことはなく、その者達は誰からも愛されることはないだろうと此処に言い渡そう。
獄焔の狂戦士アスモデウスが抱える楔の罪状。
世界の理不尽に怒り狂い、理不尽に抗おうと時に危害すらも加えた汝は罪ありき者である。
永遠に怒りは覚めることはなく、やがて怒りで愛する者はおろか己の命すらも滅ぼすことになると此処に言い渡そう。
技巧の賢天使アイポロスが抱える楔の罪状。
造られしものにして人の理を超え、神すら凌駕する知を抱いた汝は罪あり者である。
汝の持つ知は人の歩む道を奪い、未来と過去を定めるは自由を縛る枷となると此処に言い渡そう。
清水の獣竜クロセルが抱える楔の罪状。
生命が願う偶像を演じ、何も知らない純粋な人々に真実を欺いた汝は罪あり者である。
永遠に己を欺くことになり、本当の自分というものが人々に愛されることはないだろうと此処に言い渡そう。
勿忘の罪騎士オリアスが抱える楔の罪状。
与えられた神託を果たそうと己すらも捨て、人々を護るべき理由も忘却した汝は罪あり者である。
永遠に記憶は思い起こされることはなく、己の愚かさや空白の虚しさに苦しむことになると此処に言い渡そう。
絢爛する占星術師デカラビアが抱える楔の罪状。
生命たるものの幸福を願い、人々に幸福であることへの欲を説いた汝は罪あり者である。
永遠に己が抱いた幸福への欲深さは許されることはなく、やがて万物に対して欲がなくなることを此処に言い渡そう。