「弱い奴は死に、強い奴が生きる。ただそれだけの話だろう」
幻蒼海域エルキュメリアンにおいて絶対的な王者であり暴君、であると人間からはそう囁かれる。
囁かれる通りの実力があり、その圧倒的な強さから幻獣種達の中では誰も彼に逆らうことはない。
それ故に、人間からも幻獣種からも「海帝」とも呼ばれることもある。
彼自身としては、弱者には一切興味がなく、他人がどうなろうともあまり興味はない。とは本人は言っている。
一応、必要以上に他者へ危害を加える気はないようで、不器用ながらもこちらに気を使っている瞬間が垣間見えるかもしれない。
しかしやはり、力加減が壊滅的に下手なため、ままならない。
種族としてはセイレーンであるが、原初の海の神の末裔ではないかと囁かれている。
その真相は、本人にもわからないことである。
名前を覚えるのが苦手故に、最初の一文字しか合っていない間違いをよくする、毎回する。
一人称:俺/二人称:お前、名前呼び捨て
認識妨害の性能を持つ魔導具を持っている為、生まれ持った美貌が正しく認識されることはない。
曰く、ネヴァーレンやルカレオス、メレアティカも同じ魔導具を持っている。
魔法は扱えるのだが、それよりも力が強いため使ってはない。
名前を覚えるのは苦手……なはずではあるが、名前と顔は一致できるらしい。しかしそれについて彼から何か言うことはない。
幼馴染のうちの一人であり、養父の元で一緒に育った。故に彼の内面的な弱さを理解している。
そして、冷静であり誰が相手でも臆さずに意見を述べることが出来る強さも、理解している。
だからこそ、彼のことを信頼しているのであろう。それを表に出すことはあまりないのだが。
幼馴染のうちの一人であり、養父の元で一緒に育った。故に彼の内面的な強さを理解している。
そして、感情的になりやすくしかし弱き生命へ寄り添うことも出来る弱さも、理解している。
だからこそ、彼のことを大切に想っているであろう。それを表に出すことはあまりないのだが。
「思うことはあっても同情はしない」とオルティレイスは言う。
実際に、彼女のカリブディスとしての運命を知っていても、それに対して悲観的な言葉は出すことはない。
出すことはない、のだがそのまま悪意などは知らないままでいてほしいとは思う。
「人間界には別に興味はない。俺達はただこの世界で生きているに過ぎないんだ」
「弱者は死ぬ、ただそれだけだった話だ」
「殺す気で恨みをぶつけろ。お前達が死んでも俺はくたばりはしない」
「俺はもっと強くなるだろう。あの時を繰り返さないためにも、俺は守る力を手に入れる」
「俺は、あいつらが不自由なく暮らせるならばただ独りで極悪人と呼ばれても構わない」
表情を表に出すのは苦手で、基本表情は無から変わらない。
一度受けた恩は何百年経っても決して忘れることはなく、幻獣種は皆そういうものだと彼は言う。
例え相手が誰であろうとも、「助けて」と言われれば自身の利益不利益を全く考えずに助けるために動こうとする。
よく人間達が歌っていた歌で特に心が残っている歌があるらしく、その歌は種族が違う者同士の悲しくも美しい恋の歌、である。