「せめてもの、あいつらの運命は誰にも邪魔はさせないと、そう決めた」
“天海の傍観者”と傍観者達にそう称させる彼は全ての海と水を征服し、波や嵐までもが彼の味方をする
███から変遷得て傍観者へと成った存在であり、異例とも呼ばれる存在。
それゆえなのか、はたまたは加減を知っているからかなのか、カルネアレイスは他の生命達をその力で危害を加えることはほとんどない。
かつては██とも呼ばれていたためか、支配者や暴君、独裁者を見るとあまりいい気分はしないようだ。
決して届かぬ場所から仲間たちの歩みを見守り続ける。幸福であれ、悲壮であれ、そのすべてを受け止めるように。
ただ傍観することしか叶わぬ孤独と、自らを含む傍観者たるものへの牽制してみせる優しさ、そこに在るのは、揺るぎなき威厳を抱いた孤高の王者の姿に他ならない。
実の親のように優しかった養父にも、兄弟同然であった幼馴染達にも、もう会えない。会おうともしない。
一人称:俺/二人称:お前、名前呼び捨て
かつて王であったがゆえに、力による無理な支配や独裁を何よりも嫌悪する。
暴君や圧政者を「王」とは認めず、それはただの蹂躙にすぎないと断ずる。
彼の眼差しには、先入観や偏見によって他者を決めつけることはしない。
一人ひとりの声に耳を傾け、その意見や想いを尊重することを何より重んじる。
たとえ相手が弱者であろうと、蔑むことなく真摯に向き合う姿勢を崩さない。
No data……
「あいつらにとって、俺はもう必要のない存在だろう……それで構わない。大事なのは、あいつらが幸せであることだ」
「お前がどう選ぼうと、俺は否定しない。……それが、お前の意志ならば、俺はそれを受け入れる」
「力で従わせる者は、結局、自分の弱さから逃げているだけだろう」
「あいつらが笑って生きていけるなら、俺は遠くで見守るだけでいい」
「今の俺がせめて出来ることが、これだけだ。だが……不思議と寂しくはない。過去の思い出は俺が忘れない限り、ずっと消えない」
彼にとって養父は、血の繋がり以上に「本物の父」だった存在。
実の親のように優しく、愛情を惜しまず与えてくれたその姿を、彼は深く尊敬している。
彼にとって幼馴染は、家族も同然のかけがえのない存在。
共に笑い、共に夢を語り、共に未来を描いたはずの仲間。
───しかし、今の自分はもう彼らの“家族”ではない、紛い物。
養父の優しさと強さを見て育ってきた███の王の███████ではない。
理知で冷静な幼馴染と、健気で勇気をくれる幼馴染に支えられながらも、気高い王であろうとした███████ではない。
過去は振り返らない。過去の自分も否定しない。
───だから、さようならだ。